韓国 カジノ ポーカー
2021.1.28
全国の20~60代の新型コロナウイルス禍でテレワークをするようになった就業者(※1)2,272名に、2020年9月26日~28日の期間において、仕事に関するアンケートを実施しました。すると、回答者の79.3%が緊急事態宣言の発出があった2020年4月までにテレワークを開始しており、9月時点では、48.1%の人が週の労働時間の50%以上の割合でテレワークを実施していました。
急速に広まったテレワークによって、働くモチベーションはどのように変化したのでしょうか。
※1 2020年1月以降にテレワークを実施した人(公務員、パート・アルバイトを除く)
テレワーク実施前後での働くモチベーションの変化
テレワークの実施前後で、「働くモチベーションが低い」と回答した割合が8.4pt増加
現在もテレワークを実施している人に、働くモチベーションについて聞きました。テレワーク実施前の働くモチベーションが「やや低い」「非常に低い」の回答は14.1%であるのに対して、テレワーク実施後の同指標は22.5%。8.4pt増加しています。また、モチベーションが高い群(「非常に高い」「やや高い」の合計)の比較では、テレワーク実施前後で-0.6ptと微減でした。
「チームの仕事が減った」という人に限ると14.5ptの増加
この傾向は「仕事の仕方の変化」でより顕著に確認することができます。テレワーク実施前に比べて「チームなどの複数人で取り組む仕事」の割合が減った回答者においては、モチベーションが低い群が14.5pt増加し、モチベーションが高い群が-5.0ptという結果になりました。
モチベーションに影響する仕事の5要素
具体的にどのような要素がモチベーションの低下に影響しているのでしょうか。ここでは、モチベーションに影響する仕事の5要素について、ハックマンとオルダムの職務特性研究を基に、以下のように整理をしています。
仕事の「全体像の把握」や「重要性の実感」、 「他者からのフィードバック」に10pt以上の変化
調査では、現在もテレワークを実施している人に対し、モチベーションに影響する仕事の5要素について、テレワーク実施前後の状況を確認しました。
「求められるスキルの多様性(技能多様性)」はテレワーク実施前後で-3.8pt、「仕事の進め方の裁量(自律性)」は+1.2pt であり、顕著な変化は見られませんでした。
一方、「仕事の全体感の把握(タスク完結性)」の同指標は-20.0pt、「仕事の重要性の実感(タスク重要性)」は-13.2pt、「上司や同僚からのフィードバック(フィードバック)」は-15.6ptと、大幅にスコアが低下していることが分かりました。また、年代別の比較では、20代の「上司や同僚からのフィードバック」が-19.6pt(テレワーク実施前:61.6%、テレワーク実施後:42.1%)と、全体よりもスコアが低下していることが分かりました。
テレワークのやりにくさや抵抗に関するフリーコメント
- 顔も知らない相手と仕事をすることに少し抵抗を感じる(愛知/36歳)
- 相手の仕事の進捗状況が分かりづらい(神奈川/29歳)
- チームの人がどんな働き方をしているか分かりにくい(神奈川/42歳)
- コミュニケーションがとりづらい、相手の反応が分かりづらい。評価されていないと感じる。貢献できていないと感じる(神奈川/48歳)
- 全体の進捗が分からないことがある(神奈川/53歳)
- 仕事の全体像が分かりにくくなった(愛知/48歳)
- 進捗確認がしづらいし、意見交換の時間が限られること(静岡/39歳)
- チームワークや仕事間の他愛のない会話がしづらくなった(千葉/41歳)
- 耳から入る情報量が少なくなった(大阪/59歳)
- コミュニケーションギャップが発生する可能性が高くなり、効率性が下がる(東京/46歳)
- 情報共有の仕方が難しいと感じる。他の人の様子が分からずどのような対応をしたらいいか戸惑う。仕事の進め方としては、テレワークでないほうが良いと感じることが多い(東京/36歳)
- グループ内のメンバーの状況が把握できない。ちょっとした判断が必要な時、リアルなら同じ見解か隣の席の人に軽く聞けるのに、テレワークだとわざわざチャットやメール等で聞くのも気が引けるので独断で進めることが多く不安になる(東京/50歳)
- 会議での発言や対面でのコミュニケーションが減少し、まわりの仕事状況が分かりづらくなった(兵庫/25歳)
テレワークでは「仕事の意義」や「周囲との関わり」の重要性が高まる
テレワークの導入によって、仕事を介したインタラクティブな情報のやりとりが棄損されたことが、モチベーション低下に影響していると考えられます。テレワークが始まったことで、やりにくさや抵抗を感じたことについて聞いたフリーコメントでは、「仕事の全体像が分かりにくくなった」「チームの人がどんな働き方をしているか分かりにくい」という回答が見られました。
また、テレワーク実施前後での仕事の仕方を比較して「個人で取り組む仕事が減った」および「比率は変わらない」と回答した人たちには、「モチベーションに影響する仕事の5要素」の指標に大きな変化が見られませんでした。このことからも、テレワークの導入に起因するチームの仕事や周囲との協働の減少が、モチベーションの低下につながっている可能性が示唆されます。
今後もテレワークの継続が想定されます。仕事環境の変化によって、情報の流れやコミュニケーションはどう変化するか、働く個人の認知はどのような影響を受けるかについて検討したうえで、職務設計やチームビルディングが必要であると言えるでしょう。