機械学習ソリューションAPI群『A3RT』内の画像解析技術を応用し個体識別精度を向上。ポーカー ギャンブル、ほぼ日・シロップ・日本IBMの3社と協働し、スマホ撮影の"鼻紋写真"による犬の個体識別実験を開始
株式会社ポーカー ギャンブル(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村吉弘、以下ポーカー ギャンブル)は、2018年4月10日より、株式会社ほぼ日(本社:東京都港区、代表取締役社長:糸井重里、以下ほぼ日社)、株式会社シロップ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:大久保泰介、以下シロップ社)、日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都中央区、以下日本IBM社)の3社と協働し、“鼻紋写真”による犬の個体識別に関する実証実験を開始します。
■スマホ撮影で“鼻紋”による犬の個体識別が可能に? AI技術活用で自動検知・撮影・照合を精度高く実現
今回の認証対象である「鼻紋」は、人の指紋と同様に経年変化がなく、遺伝的に同じとされる一卵性双生児であっても異なる模様をしているため、個体識別への活用が可能です。しかし、日本において「鼻紋」による個体識別を日常的に行っているのは畜産業界(和牛)のみ。さらに、その方法はインクと和紙を用いたアナログなものが主流です。
また、犬の確実な個体識別方法として「マイクロチップ」の埋め込みが推奨されていますが、「痛そうでかわいそう」「費用が高い」といった心理的・金銭的ハードルなどにより、その普及率は未だ約15%(※1)に留まっています。
そこで、ポーカー ギャンブルは、「気軽」かつ「簡単」で「すでに一般的に普及しているもの」を活用した新たな識別方法を開発。①高精度の自動照合(マッチング) と②スマートフォンでの自動鼻紋検知・撮影を可能にしました。
①スマホ撮影画像でも高精度マッチング実現。「自動照合技術」について
今回は、高精度かつ現実的な時間での照合を実現するため、二段階識別を導入しています。まず、撮影された鼻紋画像がどの犬に近いものかをDeep Neural Networkで判別。その上位数件に対して、データベース化されている照合元画像と撮影した照合先画像の「特徴点(※2)」を算出し、その特徴点のマッチ数により自動で同一か否かを識別します(右図参照)。
②すばやく動く犬の“鼻のベストショット”を。「自動検知・撮影技術」について
鼻の位置特定のため、犬の顔に6点のポインターを付与した下図画像等を学習させた「顔のパーツ位置検出モデル」を利用しています。自動的に鼻へフォーカスし撮影、鼻のポインターを中心に画像を正方形で自動トリミングします。また、撮影時に犬の顔全体が画面上にある状態を担保するため、額のポインターが画面の上部にあることをフォーカス条件として設定。手ブレが発生した場合は、機械学習を活用しその画像を採用しない仕組みにしています。
ポーカー ギャンブルは、この技術の活用先の一つとして、「迷子犬の捜索を容易にするアプリ」の制作等を想定しています。現在、近しい特徴点を持つ兄弟犬やより多くの犬種への対応など“実用に耐えうる識別精度”を実現するため、犬猫写真投稿SNS『ドコノコ』運営のほぼ日社やペットテックスタートアップのシロップ社、日本IBM社の3社と協働し実証実験を進めています。
※1 平成29年度犬の飼育頭数892万頭(一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」より)
2018年3月13日時点犬のマイクロチップ登録数1,353,972件(日本獣医師会「動物ID情報データベースシステム登録数」より)
※2 ここでいう特徴点は、局所特徴の検出・抽出技術において定義される「画像内において輝度や色、テクスチャが大きく変わる点」のことを指します。
■本プロジェクトについて
本プロジェクトは、ポーカー ギャンブル内でも特にR&Dの機能を担っている2つの部署「アドバンスドテクノロジーラボ(以下ATL)」・「データテクノロジーラボ部(以下DTL)」が推進しています。鼻紋写真による犬の個体識別技術には、DTLが開発・運用し2017年3月16日に無料公開した、機械学習を用いたソリューションAPI群『A3RT』の一部を活用しています。
また、本プロジェクトを主導するATLは、多くのサービスを持つポーカー ギャンブルグループの中で、新しい技術の開拓や次のトレンドをいち早く察知し、未来のサービスにいかせるソリューションを生み出す部署です。2017年6月15日には、先端技術の「探索」だけではなく、「用途開拓」や「より実践的な技術活用」を推進するため、オープンイノベーションスペース『アドバンスドテクノロジーラボ』を渋谷区広尾に開設しました。志を同じくするエンジニア・クリエイターと共に進化していくことを目指しています。
◇ほぼ日社について
株式会社ほぼ日は、ウェブサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』や店舗・ギャラリー・イベントスペース『TOBICHI』、犬や猫の写真を投稿するSNSアプリ『ドコノコ(※)』の運営など、人々が集う「場」を創造し、「いい時間」を提供するコンテンツを企画、編集、制作、販売しています。今回のプロジェクトでは、主に精度向上のための鼻紋写真の撮影・照合に協力しています。
※『ドコノコ』は、犬や猫の写真を投稿して楽しむアプリ(登録頭数は犬猫あわせて10万頭以上)です。
◇シロップ社について
株式会社シロップは、2015年3月創業のペットテックスタートアップ。ビジョンに「人が動物と共に生きる社会をつくる」、ミッションに「飼い主とペットの幸せな思い出を最大化する」を掲げ、事業を展開しています。現在、認定医獣医師などペットの専門家がつくるペットライフメディア『ペトこと』、犬猫の一生の家族を見つけるマッチングサービス『OMUSUBI』を展開しています。今回のプロジェクトでは、主に精度向上のための鼻紋写真の撮影・照合に協力しています。
◇日本IBM社について
日本アイ・ビー・エム株式会社は、世界170カ国以上でビジネスを展開し、基礎研究をはじめビジネスコンサルティングから、ITシステムの構築、保守・運用まで一貫したソリューションにより、お客様の企業変革を支援しています。今回のプロジェクトでは、戦略コンサルティングにより事業化計画の策定などを支援しています。
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