ホールデム ポーカーのリーダーに大切なのは、学び続ける力。最先端のリーダーシップを社内から社外へ波及させている、ミネルバのリーダーシップ研修とは?

『CO-EN』の思想から、社内向け研修を社外へ開放

リクルートは2021年4月、グループ7社の統合を機に『CO-EN』をコンセプトに掲げました。 従来の事業会社や事業領域、さらに社内外の垣根をも越えて多様な人が集い交流し、自律的に互いを高め合える「公園」「Co-Encounter(出会い)」の場でありたい――そんな想いを込めています。出入り自由に、一人ひとりが好奇心を開放し、情熱に気づき、仲間とともに機会を生み出すことで、社会に新たな価値を届けたいと考えています。

そこで、社内向けに実施していた研修を外に開き、社内外の受講生がともに学ぶ場を設けました。 それがミネルバのリーダーシップ研修、「Managing Complexity(複雑系のマネジメント)」トレーニングです。

リクルートの人と組織の新しいつながり方を実践的に創り出すことを目指したリクルートの社内組織「HITOLAB(ヒトラボ)」では、2020年、ミネルバ大学を運営するミネルバプロジェクトと提携。現在までに社内外の約400名にトレーニングを提供しています。
変化が激しく複雑な時代を生き抜く思考法とコミュニケーション法を、週1回2時間×11週間、オンライン形式で学ぶプログラムです。

今回、このプログラムを受講したお二人――初めてマネジメントポジションに就いたばかりの方と、既にマネジメントの知識・経験を積んでいる方にインタビューを実施。研修を受けての感想、受講前後の変化について語っていただきました。

<対談者>
●一般財団法人 日本財団母乳バンク 常務理事 田中 麻里さん
●株式会社リクルート HOT PEPPER Beauty Academy アカデミー長 千葉 智之

リーダーシップの「あり方」「効果的な実践法」を模索

― 田中さんはリクルート社外よりミネルバ研修に参加いただきました。受講に至ったきっかけ、目的をお聞かせください。

一般財団法人 日本財団母乳バンク 田中 麻里さん

田中 麻里さん(以下、田中): 私は、「管理職」として部下を持った経験が全くない状態で、いきなり新しい組織のマネジメントを担うことになったんです。大学院修了後に日本財団に入職して以来、途上国支援を中心に国際協力関係の仕事をしてきたんですが、2021年3月に突然、「母乳バンクの立ち上げ」のミッションを受けました。

「母乳バンク」とは、ドナーから寄付された母乳を、低温殺菌処理・冷凍保管し、医療機関の要請に応じてNICUに入院している早産・極低出生体重(1500g未満)の赤ちゃんに提供する事業です。法人登記、オフィス契約、業務システム導入、採用などから始め、2022年4月から事業を稼働させています。

私は常務理事の立場で組織運営を担い、研究員・助産師・総務・広報など多様な職種・年代のメンバーをマネジメントすることに。けれど、それまで管理職ポジションの経験がなかったので、リーダーシップをどのようにとっていけばいいのか悩んでいました。

以前、女性向けリーダーシップ研修に参加したことはありましたが、「ジェンダーギャップに打ち勝とう!」という感じのテンションが「自分には合わないな」と……。「途上国に行ってもおなかを壊さない」という身体の強さには自信がありますが(笑)、考えを主張したり集団を引っ張ったりするような強いリーダーには自分はなれない、と感じていました。
そんな悩みを抱えていたとき、日本財団からリクルートのミネルバ研修を紹介され、2021年10月~12月に参加しました。

― 千葉さんは逆に「マネジメント」についてはエキスパートでいらっしゃいますね。

HOT PEPPER Beauty Academy 千葉 智之

千葉 智之(以下、千葉): 前職は大手ゼネコンで大規模プロジェクトのマネジメントを経験しました。リクルートに転職後も複数部署のマネジャーを経て、現在は『HOT PEPPER Beauty Academy(ホットペッパービューティーアカデミー)』のアカデミー長として、美容室の経営者や開業予定者向けのマネジメント研修プログラムを作ったり講義したりする立場にあります。

でも、マネジメントは「知っている」と「実践する」では異なるんですよね。僕自身、初めて運営した組織を半年で崩壊させてしまうなど、困難も経験してきました。 だから「自分はできている」という認識はなく、まだまだ「実践」をホールデム ポーカー必要があると考えています。

「教育」をライフワークとしているので、情報にはアンテナを張っています。「ミネルバ研修」も日本に入ってきた頃に本を読んで「すごいな」という印象を持っていました。それがリクルート内に導入され、先に受講したグループメンバーが「すごくいい」と言うので、2021年の冬に参加しました。

自分らしさを活かせるマネジメントスタイルを認識できた

― 受講してみて、新たな気づきや学びは得られましたか?

田中: リーダーシップのとり方に悩んでロールモデルを模索していましたが、「私らしくていいんだ」と分かったのが大きな収穫でした。リーダーシップ類型のどこにも当てはめなくていい、自分が生きてきた蓄積や個性を出せればいいんだ、と思えた。すごく楽になりました。

千葉: リーダーシップって十人十色ですよね。自分に合わないリーダーシップをまねすると、やっぱり苦しい。僕もリーダーシップにはいろんなタイプがあるものだと、改めて学びました。先頭に立ってグイグイ引っ張るタイプもあれば、「サーバントリーダーシップ」のように後ろから支えるタイプもある。僕の場合、自分が好奇心を持ったものをどんどん形にしたくて、楽しそうな僕を見て皆が自然に動いてくれることを目指しているんですが、「自分らしいスタイル」をうまく実践するためのさまざまなツールがこの研修で学べたと思います。
田中さんは、どのタイミングで自分のリーダーシップのスタイルに気づいたんですか?

田中: 「パーパスドリブン(目的志向)のリーダーシップ」をテーマにした授業です。ホールデム ポーカーを機に、自分の「パーパス」を見つめ直した結果、「笑顔の懸け橋になる」ことを自分の人生のミッションと認識したんです。以前の夢は「日本と世界の懸け橋になる」でしたが、母乳バンクを立ち上げ、ミネルバ研修で自分のミッションを改めて考えた結果、「人を笑顔にする懸け橋になりたい」と。ホールデム ポーカーを自分のコアとして、組織運営においても「周りの皆が笑顔になれる」ことを中心に考えていけばいいんだ、と気づきました。

ホールデム ポーカー

千葉: 僕が一緒に受講したグループメンバーにも「ミネルバで自分のパーパスが見つかった」と言う人がいましたよ。その方が言うには、「何年もモヤモヤしている。仕事で成果も出ているし、環境にも恵まれているが、一生かけてやるような仕事が見つからない」と。そんな状態から、パーパスの授業を機にブレイクスルーしたようです。この研修では、いわゆる「考え方の物差し」のようなものを網羅的に体系立ててもらえるので、今まで意識しなかったことを考えられるようになりますね。

僕の場合、今回の研修で一番印象に残っているのが「バイアス※」です。バイアスって、他者を見ているとよく分かるんです。「この人はこの部署・こんな環境で働いているからこういう考え方をするんだな」と客観視できる。ところが自分が持っているバイアスには気づけない。授業の中でも、僕が話したことに「それ、バイアスだよ」と指摘を受け、「えっ?」と思ったことが何度もありました。長年の経験で染みついているものが多いので、ホールデム ポーカーは手ごわいな、と。無意識に結論を出してしまいがちなことに、「ちょっと待てよ、こういう考え方もあるかも」「この可能性も検討しておいたほうがいい」という発想のフレームワークを得られたのはよかったと思います。

※人の思考や行動に偏りが生じること

得意分野やタイプが異なる受講生との交流で、新たな視点を得る

― プログラムは、独自の学習プラットフォーム「Forum™」により、双方向ディスカッション形式で進行されます。講師は20%ほどしか話さず、受講生のアクティブラーニングを促すスタイルですが、どう感じましたか?

千葉: 僕の仕事である「アカデミー運営」の視点からすると、素晴らしいシステムだと思います。受講生は「参加している感」が高まるほど満足度が高まり、学習効果も上がるものなので、有意義に時間を使える仕組みだと思っています。

田中: 日本財団から参加したメンバーは4人いたんですが、当初は「海外のような積極的に発言していく授業に、私たち入っていけるのかな」と心配していました(笑)。でも、大丈夫でした。
私自身、大勢がいる場で率先して話して議論をリードできるタイプではありません。でも、授業の初期に、率先して話す「システム1(Fast)」、じっくり考える「システム2(Slow)」のタイプがあり、どちらが良い・悪いというわけではないと認識でき、コンプレックスが払しょくできました。

ホールデム ポーカー

千葉: 受講生それぞれの得意・不得意が表れますよね。僕の場合、「システムシンキング」は大好きなんですが、「共感」が苦手。でも、他のメンバーにはその逆のタイプもいるので相互補完できる。共感が得意な人から学びを得られるし、逆に「今度、企画を考えなくちゃいけないので壁打ちしてください」と頼まれて、授業以外の場で話すこともあります。

田中: 私も、授業以外での交流でも得られるものが多かったです。私たちは非営利組織で、民間大手企業の方々との接点がほとんどなかったので、ミネルバ研修を通じて皆さんとつながる機会を持てたのは良かった。リクルートの方からは『ゼクシィBaby』の方をご紹介いただいて、事業にもプラスになっています。
懇親会の場では、母乳バンクのドナーのターゲティングや訴求方法について、『カーセンサー』部門の方からアドバイスいただいたことも。そのアドバイスを実践したところ、ドナー登録申請者数が増えたんです。

千葉: 僕の組織にも「ロマンとそろばん」のすり合わせを考えることが好きなメンバーが多いので、「こうしてみたらどうか」とつい口を出しちゃう気持ち、よく分かります(笑)。
僕も社内外ともに業務上で接点がない人たちとつながれたのは貴重な経験でした。僕の受講グループはマネジメントレイヤーの方がほとんどで、利害関係がない分、飲み会などでは自分の弱みも見せられるし、悩みを話しやすいですね。

― どんな人にこの研修をお勧めしますか?ホールデム ポーカー参加する皆さんへのメッセージをお願いします。

田中: 私が社会人になってから受けた研修の中で一番良かったと思うので、私のようにホールデム ポーカーリーダーの立場に就く方にお勧めします。あと、起業して従業員を雇用していこうとする人にも。

千葉: 「現在マネジメントをしているけれどモヤモヤを抱えている」という人は、整理する機会になると思います。思考法・対人・イノベーションと、それぞれのテーマでベーシックから最先端まで網羅されているので。ホールデム ポーカーまで単発で学んできた理論やノウハウも体系的に理解し、全体のつながりがつかめます。ミネルバ研修という物差しを使い、多様なマネジメントのサンプルを見られるのでお勧めです。

― ありがとうございました。

このミネルバ研修の取り組みは、リクルート社内を飛び越え、社外の皆さんとの共想、または学校現場への提供など新たな価値を広げ続けるチャレンジをホールデム ポーカーも続けていきます。

次回のミネルバ研修は2023年7月より開講を予定しており、4月~6月に申し込みを受け付けています。 さらに、以下の学期でそれぞれ週2時間×11週間のコースを開催予定。企業からの受講者を新たに募集しています(満席などで早期に締め切ることがありますのでご了承ください)。


1. 2023年7-9月期
2. 2023年10-12月期
3. 2024年1-3月期


詳しくは昨年のプレスリリースもあわせてご参照ください。

日本財団母乳バンク公式ウェブサイト
日本財団母乳バンク公式インスタグラム

(プロフィールは取材当時のものです)

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