テキサス ホールデム 確率DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン) ~住宅業界編~

テキサス ホールデム 確率DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン) ~住宅業界編~

リクルートグループは、2021年にサステナビリティへのコミットメントを発表。そのなかで、「2030年度までに上級管理職・管理職・従業員、それぞれの女性比率を、グループ合計で約50%にする」というジェンダー平等の目標を掲げ、株式会社リクルートでも具体的な取り組みを行っています。

今回ご紹介するのは、分譲マンションの販売を手掛けるデベロッパーと購入希望者をつなぐ事業に取り組む、分譲マンションDivision。伝統的な商習慣が根強いとされる住宅業界に対峙する組織は、どのようにDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の推進に取り組んでいるのでしょうか。Vice Presidentを務める森本直樹に、今年度から新たに開始したリクルート全社の管理職向け研修「Career Cafe for BOSS 実践編」への感想も含めて、聞きました。

転換期を迎えるマンション業界。テキサス ホールデム 確率に求められている変化とは?

― まず、森本さんが2006年に新卒入社後、15年以上担当しているという分譲マンション事業の営業の仕事について教えてください。

森本直樹(以下森本):住まい事業は『住宅情報』(現『SUUMO』)の創刊から48年にわたって、メディアを通じたカスタマーと物件情報のマッチング事業に取り組んできました。

なかでも、分譲マンション業界は、業界の参入障壁が高いことから、創業以来ほとんど顧客の顔ぶれは変わらず、不動産デベロッパー様を中心とした数百社にお取引いただいています。私たち営業もこうした顧客との強固な関係性を活かし、ニーズを深く理解した上で、ご提案することを大事にしてきました。

― そんな営業組織でDEI推進に取り組む理由は何でしょうか?

森本:昨今の時代の変化を受け、カスタマーのニーズがより多様化するなか、これまで以上に『SUUMO』はメディアとしてそのニーズに応え、顧客にいち早くそのニーズを届ける役割を果たす必要があるからです。

― ニーズが多様化と言うと?

森本:インフレの影響を受け、資材・人件費などの製造コストが上昇したことで、都心を中心に一戸あたりの価格急騰が続いています。これまでは都心にある駅に近い物件ほど価値があるとされて建てられてきた分譲マンションですが、その価値を追求するとカスタマーにとってはどんどん手が出しにくい商品になっているのです。

一方カスタマー側では、コロナ禍を機にライフスタイルが変化し、住まいに求める価値が多様化しています。例えば、都心の新築マンションを希望していた方が、リモートワークの普及によって、都心からのアクセスが良く、広い郊外の物件を探されるケースなどです。

― たしかに、言われてみると、この数年で暮らし方の価値観が変化している実感はあります。

森本:『SUUMO』の仕事は、不動産デベロッパー様がカスタマーニーズを捉えた商品を企画することをサポートし、社会のニーズに合った住まい環境を創り続け、その情報をカスタマーに届けること。なので、カスタマーの多様なニーズを理解するためにも、まずは私たちが多様な価値観を持った組織であることが大事なんです。

これまでの組織では、時間を割いて顧客接点量を確保することが、顧客への価値、そして、リクルートの成果につながるという状態が定着していました。結果として、そうした働き方で成果を出すメンバーの成功事例が重視されていたのではないかと考えています。ですが、今は過去の成功パターン(成果の出し方や働き方等)に囚われず、多様な価値観・能力を持つ従業員が知恵を合わせて提案していくことが大事なのではないか、と。

― 具体的に、どういうことでしょうか?

森本:顧客であるデベロッパー様から教えていただくばかりではなく、自分たち独自の視点で多様化するカスタマーのニーズを届けなければならない。そのためには、今までやってきたことを疑いながら、新たな情報収集や仮説を持つことにも時間やパワーを使わないといけないのではないか。そういうことができるような働き方や組織に変えていこうよ、ということです。

― とは言え、実際に組織の働き方を変えるのは大変そうです。森本さんご自身の自己否定にもなりませんか?

森本:たしかに私自身はこの業界で16年働いてきましたから、当時の先輩方と同じように「がむしゃらに、手段を選ばず顧客接点量を確保」してきたタイプです。ですがその過程では、同僚や先輩後輩のなかに、いくら活躍しようとも「この組織や働き方には馴染めない」という方々がいる実態を見てきて、これで本当に良いのだろうかと疑問に感じていました。

そして今、社会全体でDEIを推進する機運や、その背景にある社会課題、つまり働き手が減っていくのは自明という事実に背中を押されて、画一的な働き方はやっぱり問題なんだ、と課題設定ができた感覚です。

― ちなみに「画一的な働き方」に馴染めない方とは、どんな方でしょうか?

森本:最たる例は、同じ部署で働いていた育児中の女性の方です。私が若手の頃にも、営業組織で意欲的に働いていた同僚の方がいました。産休・育休を経たことで、働き方が調整しやすい組織に異動したのですが、その後退職してしまったんです。今思うと、営業組織で働き方のニーズが多様化するなか、実態が追い付いていない状況だったのですが、彼女は次第に自分に期待されていることが見出せないままだったんだと思います。ですが状況が違えば、今でも働きがいをもって活躍を続けていたのではないかと思うことがあります。

テキサス ホールデム 確率の不動産・住宅情報の総合サイト『SUUMO』を中心とした住まい事業に取り組む分譲マンションDivisionでのDEI推進について語る森本直樹

DEIを推進し、画一的な組織から脱却するには?

― 森本さんはDEIに関する課題意識から、2022年に自組織で独自の取り組みを始めたと聞きました。まず何から始めたんですか?

森本:半期に1回行う管理職向けの研修で、DEIの理解を促すプログラムを始めました。トップダウン型で推進を試みましたが、なかなか難しくて…。まさに育児・介護に取り組む方やもともとDEI推進に関心が高い方からは反響が良かったんです。生産性を上げるための働き方について相談をしてくれたり、多様な人材が働けるよう「無駄な業務」について真っ当な意見も含めて提言してくれたり。

一方で「生産性」という概念に囚われすぎると、DEIの本質を見失い、特に若手のような「今はとにかく働いて早く成長したい」という方々が、自分たちの働き方が否定されているのか、と感じてしまうこともあったかもしれません。

― 多様な人材を受け入れるからこその難しさですね…。

森本:ですから、組織で「そもそもDEIとは何か、どんな状態か」を目線合わせするところから始めなければならないと思いまして。2024年からは、自主的な推進プロジェクトに切り替え、ボトムアップ型でそうした議論の場や業務生産性の向上に取り組んでいます。

また、どのような価値観のメンバーからも、働きがいを実感してもらえる組織にしたいので、組織長内で「この事業で獲得できるポータブルスキル」について掘り下げて、メンバーに意味づけを促すなど、キャリア開発の支援も始めています。

― そんななかで、全社で取り組む管理職向け研修「Career Cafe for BOSS 実践編」の打診が来たんですね。担当組織の管理職に参加を促した意図は何でしょうか?

森本:はい、まさに、組織長のDEI理解やマネジメントスキルの向上を支援したいと試行錯誤していたところだったので、渡りに船でした。

これまでマネジメント経験がなかったタイプのメンバーを担当する機会も増えていくさなかで、多様な個人の成長に伴走するためのスキルを獲得し、マネジメントの手法を進化させておくことは組織長にとって重要です。

私が特にありがたいと思ったのは、組織長自身が持つ人材に対する無意識のバイアスを自覚するだけでなく、実際のマネジメントをどう変えていくかについて、行動計画を策定するという、実践にフォーカスした内容であったことです。

参加したマネジャーからは「最近はメンバー構成の比率が変わるなかで、マネジメント方法を変える必要に迫られていたので、バイアスの具体的な観点が参考になった。すぐに全てのバイアスに対処するのは難しいが、どう優先順位をつけて向き合っていくのが良いかを考えさせられた」といった具体的な意見も挙がりました。

2024年8月30日に開始された社内管理職向け研修「Career Cafe for BOSS 実践編」。講師に岡島悦子氏を迎え、多様な人材のマネジメントに向け、管理職自身が持つバイアスを自覚・内省するとともに、テキサス ホールデム 確率での実践に向けた行動計画を策定した。
2024年8月30日に開始された社内管理職向け研修「Career Cafe for BOSS 実践編」。講師に岡島悦子氏を迎え、多様な人材のマネジメントに向け、管理職自身が持つバイアスを自覚・内省するとともに、テキサス ホールデム 確率での実践に向けた行動計画を策定した。
2024年8月30日に開始された社内管理職向け研修「Career Cafe for BOSS 実践編」。講師に岡島悦子氏を迎え、多様な人材のマネジメントに向け、管理職自身が持つバイアスを自覚・内省するとともに、組織での実践に向けた行動計画を策定した。

― 研修後、参加した管理職の方からは、どんな声が挙がっていますか?

森本:「DEI」については、口酸っぱく伝え続けてきたこともあり、組織長の理解が深まってきたと実感します。例えば、組織で今後の戦略を検討する時には、それを推進した場合に「自組織の働きやすさ・働きがいがどうなるか」について自発的に意見が出たり、その是非について議論が生まれるようになりました。でも、ここから、というところですね。

森本さんがDEI推進を通じて実現したいこと

― ところで、森本さんはなぜそこまでDEI推進に前のめりなんですか?

森本:私たち分譲マンション事業は、現代の多様なカスタマーの方々、一人ひとりにぴったりな家探しを実現したいと考えています。そのためには、私たち自身が同一化した組織ではなく多角的な視点・経験を活かし合う組織になることが不可欠。合理的に考えても、事業推進のために取り組むのは当たり前、というのが率直な想いです。

それに、今後、社会で多様な個性・能力を活かせる職場環境がますます必要となるのは、不可逆な流れですから、結局はリクルートに限らず、組織によって逼迫度が異なるだけで、同じ課題にぶつかるはず。ならば、先んじて乗り越えていったほうがいいじゃないですか。

― 組織でDEIを推進していった先に、どんなことを実現したいですか?

森本:分譲マンションの営業担当者は、不動産デベロッパー様とともに事業経営の視点から、スケールの大きい土地の未来像を描き、その未来に共感するカスタマーとのマッチングをお手伝いする仕事。また、カスタマーが未来の暮らしを思い描くお手伝いをする、いわば人生の大きな決断を支援する仕事とも言えます。

分譲マンションDivisionは、この大きな責任を担いながら、業界・カスタマーの変化するニーズに応えていくというチャレンジングな環境。メンバーの誰もがここでの経験を通じて「できること」を増やしたり、「将来的にこんな未来を実現したい」という希望を育みながら、実現していける組織にしたいですね。

テキサス ホールデム 確率の不動産・住宅情報の総合サイト『SUUMO』を中心とした住まい事業に取り組む分譲マンションDivisionでのDEI推進について語る森本直樹

登壇者プロフィール

※プロフィールは取材当時のものです

森本直樹(もりもと・なおき)
株式会社リクルート Division統括本部 住まい領域統括 分譲マンションDivision Vice President

大学卒業後、2006年に入社。最初の配属は浜松拠点で『タウンワーク』の提案営業に従事。3年目にマンション領域へ異動、営業としてリーダー、グループマネジャーを経験し、16年に事業推進部へ。18年に首都圏営業2部部長に。22年より現職

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