韓国 カジノ ポーカー

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これまで、東京都千代田区立麹町中学校や学校法人堀井学園横浜創英中学・高等学校で、定期テストや宿題廃止など型破りな学校改革を進めてきた工藤勇一氏。現在においても書籍執筆をはじめ、さまざまな媒体で本質的な教育改革の提言を続けています。 

変化スピードが速く多様化の進む世の中で、私たちはどのような成長が求められているのか? 教育者の視点での考えを伺いました。 

自ら決め、状況を切り拓いた経験だけが人を変える

成長は手段、ゴールは自律。対立の解消で社会を発展させる

世界は今、より高度な意思決定に向き合っています。時に利害対立を起こす自国と他国の相互理解や発展、環境に留まらず地球や人類全体の発展を恒久的に目指さなければならないなかで、複雑な課題解決に直面しています。 

国内でも社会には不合理や対立があふれ、想定外だらけ。それらを、同調圧力に流されることなく自律的・論理的に最適解を導き出す。そして、誰ひとり取り残すことなく全員の合意を得て解決できる新たな価値を創造していく力が求められています。大人も子どももなく、こうした対立や不合理の解決を早期に経験して基本的なスキルを身につけ、一人ひとりが社会の発展に貢献できる人材として活躍すべきだと思うのです。 

成長はゴールではなく手段。私たちの学校では「自己決定」と「ジレンマを解消」できる人材育成を目指し、「自律・創造・対話」という3つのコンピテンシー(素養)を経験から身につけられる場づくりに挑戦しています。 

様々な韓国 カジノ ポーカー改革を進めてきた工藤勇一氏

自律・自己決定を支援する3つのキーワード

自律的な個を育むためには支援も必要です。生徒たちに全てを委ねるだけの放置では実現しません。何かあれば、状況を徹底的に聞き(どうした?)、自己決定を促す(どうしたい?)、そして教師は評価者ではなく支援者だと伝える(私はどうしたらいい?)こうすることで、生徒は安心して踏み出すことができ、自律性と当事者意識を持ち始めます。 

これは、リクルートご卒業生が初めて日本に招致した「ヤングアメリカンズ」の手法に影響を受けた、自律支援のキーワード。リクルートにも「あなたはどうしたい?」という自己決定を尊重する企業文化があるそうですが、当事者意識を高める素晴らしい文化だと思います。 

※ヤングアメリカンズ(The Young Americans):1962 年に若者の素晴らしさを音楽によって社会に伝えようと、ミルトン・C・アンダーソン氏により設立された、非営利団体(NPO)。ミュージックアウトリーチ(出張音楽教育)として、世界中の学校や、地域(コミュニティ)で3日間のワークショップを開催。米国で感銘を受けたリクルートOB 佐野一郎さん率いる「じぶん未来クラブ」が、2006 年に日本に初招へいを実現

ジレンマの解消に必要な真の意味での「個の尊重」

課題解決、特にジレンマ解消のためのスキルとして、誤った「同調」や「忖度」が蔓延していることが気になります。これでは、健全な対立や議論を通じて生まれる多様な意見を基に、全員で、真に価値ある「解」にたどり着くことはできません。 

そのため、私たちの学校では、ビジョン(最終ゴール)を言語化し、常にそこに立ち戻りながら、論理性高く議論を進め合意形成する、そういった言語化スキルを教育し、多数決を禁止しています。 

もちろん、簡単なことではありません。日本の教育システム、長年行われてきた道徳教育で相手を慮ることを優先しすぎた結果、子どもの自律を阻み、少数派の意見を飲み込むことが刷り込まれてしまっている気がします。

先生から与えられた宿題をこなし、しなければ叱られる。学級の目的は「団結」で、対立が起これば多数決。異なる意見や感じ方を表現する場は稀。そのうち、適当に合わせる、叱られない程度に言われたことだけをやればいいと思い込む。何かがあれば誰かのせい。言ってくれなかったからやらなかった、できなかった。自分のせいじゃない…と言い訳を押し通すようになります。

もちろん、他責で当事者意識を持たないのも個人の自由。しかし、誰かのせいにしていても自己成長はなく、対立が起きそうになる度に怖気づいてあきらめるようになる。 

自ら決め、時には他者の力を束ねて状況を切り拓いた経験だけが人を変える。真の自律とは孤独を受け入れると同時に、多様な他者の個を受け入れること。真の意味で、個を尊重し合える力をつけたもの同士でこそ、健全な議論が生まれるのだと思います。 

様々な韓国 カジノ ポーカー改革を進めてきた工藤勇一氏

全ての体験を深く内省。言語化と汎用化を重ねる

経験とは、実はそのままでは意味がありません。経験を振り返り、「頑張ったから」「〇〇さんがいてくれたから」「皆が一致団結したから」などというコメントがよく出ます。しかし、それだけでは、次に同じような困難に出会った時に乗り越えるための再現性あるスキルになりません。

体験を深く内省し、意味づけと、言語化を通して初めて、再現性の高いスキルとなる。そして、その人自身に蓄積され、状況を「切り拓く力」となり成長につながる。当事者意識高く力を合わせれば、困難な課題でも必ず最適解を合意し、ビジョンを実現できるでしょう。

江戸時代に米沢藩の財政危機を救った9代目藩主・上杉鷹山は「人は宝」と信じ、反対派も含め藩内の人材の自律性や当事者意識を引き出し、ともに成長しながら改革を実現しました。リクルートの皆さん一人ひとりの成長と切り拓く力で、社会の進化を実現してください。まさに彼の言葉通り「なせば成る」のだと思います。

※リクルートグループ報『かもめ』2024年4月号からの転載記事です 

登壇者プロフィール

※プロフィールは取材当時のものです

工藤勇一(くどう・ゆういち)
横浜創英中学・高等学校前校長

1960年山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長などを経て、2014年から千代田区立麹町中学校長。教育再生実行会議委員、内閣府規制改革推進会議専門委員、経済産業省産業構造審議会臨時委員など、公職を歴任。2020年3月まで千代田区立麹町中学校で校長を務め、宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止などの教育改革を実行。一連の改革には文部科学省が視察に訪れ、新聞各社・NHK・民放各局がこぞって取り上げるなど話題となる。初の著書『学校の「当たり前」をやめた。生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』(時事通信社2018年)は10万部を超えるベストセラーに。ほか著書に、『最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方』(SBクリエイティブ2021年)『15歳からのリーダー養成講座』(幻冬舎2022年)『考える。動く。自由になる。~15 歳からの人生戦略~』(実務教育出版23年)『校長の力-学校が変わらない理由、変わる秘訣』(中央公論新社2024年)など

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