カジノ トランプ ゲーム。人間の内面をハックして、個人の可能性を広げたい
大学在学中に渡米し、卒業後にサンフランシスコでカジノ トランプ ゲーム。現在はニューヨークを拠点に活動するカジノ トランプ ゲーム家・湯川直旺さんの生き方から、その価値観や可能性を探る
自らの意思でキャリアを切り拓き、社会で活躍する現代の若者は、どのような出来事に影響を受け、どのような価値観を持っているのだろうか。今回登場するのは、アメリカのスタートアップ企業「DeMind Inc.」CEOの湯川直旺(ゆかわ・なお)さん。1998年生まれの26歳だ。
湯川さんは、東京大学工学部に在学中に深層学習モデルを用いて、「頭で思い浮かべている単語を脳波から解読する手法」を研究。その後、在学中からサンフランシスコに渡り、現地でカジノ トランプ ゲーム。現在は、ウェアラブルデバイスから取得された生体データをもとにスケジュールを最適化するカレンダーアプリ「Lifestack」の開発・運営を手掛けており、ニューヨークに拠点を移して活動している。
コロナ禍での海外留学、アメリカでのカジノ トランプ ゲームと大胆な決断を次々としてきているが、その原動力はどこにあるのだろうか。これまでの道のりを振り返りながら、湯川さんの価値観に迫った。
感情やモチベーションなど、人間の“中身”を知りたくて
― 少年時代の湯川さんは、どんなことに興味がありましたか。
特段変わった趣味や活動をしていたわけではないんです。ただ、子どもの頃から海外ドラマが好きで、特にハマって観ていたのが『クリミナル・マインド』というドラマ。FBIのチームが犯罪心理学を使って捜査をしていくのが面白くて、人の“中身”に興味を持つようになりました。
― 湯川さんが言う“中身”とは、人の心や気持ちのことでしょうか。
そうですね、最初は心理学に興味がありましたし、学校での勉強も実は文系科目の方が得意。けれど、人の心の動きを漠然とした感覚で捉えるのではなく、客観的に解明したいと思うようになり、そのためには神経科学やデータ解析のためのプログラミングなど、理系の要素を学んだ方が良いことが見えてきました。だから、あえて「得意かどうかではなく、面白そうかどうか」という基準で工学部に進学。最終的にはAI研究にたどり着いたんです。
― 東京大学工学部に在学中は、日本のAI研究をリードする松尾豊教授の研究室(以下、松尾研)に所属されていました。どんな研究をしていたのでしょうか。
AIなどにも用いられる「深層学習モデル(ディープラーニング)」を使い、頭の中で思い浮かべる言葉を、脳波から解読する研究を行っていました。この研究テーマも、人の中身を理解したいという自分の興味の延長線にあったものです。
― 心理学、神経科学、AI研究…と学びの対象は変わっても、その先にある目的は常に「人の中身を知るため」と一貫しているんですね。そこまで湯川さんが人の内面に興味を持っているのはなぜですか。
自分の気持ち次第で、この世界の見え方は良くも悪くもなるからです。客観的に見て不幸な境遇にいても、自分自身がその環境を良いと感じていれば、それは幸せだと言えるし、どんなに恵まれた環境にいる人でも、自分が満足していなければ幸せとは言えない。結局は自分がどう思うかだからこそ、まずは自分自身の内面を正確に把握できるようになりたい。そのうえで、適切にコントロールできるようになりたいんです。
まだ何者でもない自分。たとえ失敗しても失うものは多くない
― 湯川さんは大学4年の2021年にサンフランシスコ州立大学(SFSU)に留学しています。このタイミングで渡米という選択をしたのはどうしてなのでしょうか。
実はもう少し早い時期に留学したかったのですが、新型コロナウイルスの流行で計画が狂ってしまったんです。2020年はとても渡航できる状態ではなかったですし、当初利用しようと思っていた東大の留学プログラムも中止に。
その時点で留学を諦めるという選択肢もあったのですが、「どうせすでに予定通りには進んでいないなら、コロナ禍でも留学できる別の手段はないか」と探ってたどり着いたのが、IBPプログラムという学外の留学プログラムでした。
このプログラムの特徴は、一定期間大学で勉強すると、現地で1年間の就業(インターン)ができるビザを取得できること。大学での研究テーマの通り、当時から僕はニューロテック(脳科学×テクノロジー)に興味があり、サンフランシスコではニューロテック企業が続々と生まれているのもあって、現地企業で働いてみるつもりでした。
― パンデミックというハプニングに見舞われても諦めなかったことで、新たなチャンスを呼び寄せたんですね。ですが、湯川さんはインターンをする予定だったのに、実際は大学卒業とほぼ同時にカジノ トランプ ゲームしています。アメリカで働くという意味では同じですが、なぜそのようなチャレンジに?
カジノ トランプ ゲームは、自分でも想定外でした。これはインターン先を探している時期に、「こんなプロダクトがあったら面白いかもな」とビジネスアイデアを思いついたのがきっかけ。それを友人に話したら「いいね!」とめちゃくちゃ盛り上がってくれて、知り合いのベンチャーキャピタリストに伝えてくれたんです。すると、その人も面白がってくれて、更に知り合いのデザイナーに声を掛けてくれて…。気が付いたら仲間が集まり、チームっぽくなっていったんです。
それならもう会社にしちゃおうというのが、そのときの決断でした。ただ、大きな決断というよりは、「ワンチャンいけるかも?」くらいの気持ちでしたね。なにごともやってみなきゃ分からないし、自分は昔から他の人とは違う道を選びたいタイプ。日本に戻ってカジノ トランプ ゲームしても、すでに松尾研の先輩たちが何人もスタートアップを経営しているし、それなら卒業後にいきなりアメリカでカジノ トランプ ゲームしてみるのも、人と違って面白いなと。
― とはいえカジノ トランプ ゲームにはリスクもありますし、海外でとなればなおさらです。湯川さんは、失敗することは怖くないんですか。
言われてみれば、その不安はあまり感じてこなかったかもしれません。いろんなものを背負う立場になれば違うのかもしれませんが、少なくとも当時の自分はまだ何者でもなかったからです。「失敗しても失うものが多くないなら、面白そうな方を選びたい」。それくらいの気持ちで踏み出しました。
プロダクトも活動拠点も、しなやかに変えていく
― 今お話しいただいた「カジノ トランプ ゲームするきっかけのアイデア」が、現在手掛けている『Lifestack』なのでしょうか。
いえ、もともとは、「マインドフルネス」をキーワードにしたニューロテックアプリを開発していました。これは、ユーザーがアプリを使って瞑想(マインドフルネス)を行い、瞑想中の脳波データをアップロードすることで、仮想通貨などの報酬が得られるサービスです。
カジノ トランプ ゲームは、ストレスコントロールの手段としてマインドフルネスが注目されていますが、それを習慣にすることの難しさを感じている人も少なくありません。一方で、僕が関心を持っているニューロテック界隈では、研究開発に用いる脳波データの数が不足していることが課題。そこで、ユーザーにはマインドフルネスをゲーム感覚で習慣化するという価値を提供し、その過程で得られる脳波データを提供してもらおうというのが当初の発想でした。
― 個人のニーズとニューロテック業界のニーズが上手くマッチしたアイデアですね。しかし、なぜそこから事業をピボットしたのですか。
一番大きかったのは、脳波を計測する機能を持ったデバイスがまだ一般ユーザーの日常には浸透していないこと。今後そうしたウェアラブルデバイスがポピュラーになる可能性はおおいにあるのですが、まだ少し時代が早かったのだと思います。
そこで、すでに一般に浸透している腕時計型や指輪型のデバイスで収集できる心拍数や睡眠データに注目して新たに開発したのが、現在展開している『Lifestack』。人それぞれのバイオリズムを把握し、それに合わせてスケジュールを最適化させていくためのカレンダーアプリです。
例えば、1日の中で集中力がすごく高まる時間帯もあれば、そうじゃないタイミングもありますよね。また、人によって“朝方”や“夜型”のように活動的な時間帯も違う。だからこそ、生体データとカレンダーアプリを掛け合わせれば、自分の中のエネルギーが増減するタイミングを把握することができるんじゃないか。それが分かれば、ナチュラルな形で自分の能力を最大限活用するためのヒントになるはずだという発想で、新たなプロダクトの開発がはじまりました。
― まさに湯川さんが目指してきた「人間の中身を知って適切にコントロールする」という発想ですね。時間や場所に縛られない働き方が加速している時代性にもマッチしていそうです。
まさにそこもポイントで、昔よりも時間の使い方の自由度が上がっているということは、逆に言えば主体的に最適な予定を組み立てる力が求められる時代というわけじゃないですか。『Lifestack』は、そんな現代ならではのサポートツール。スケジューラーに補助線を引くようなものなんです。
― ニューヨークに活動拠点を移したのも、この事業転換が影響しているのでしょうか。
それが、実は完全にプライベートの事情なんです(笑)。引っ越したのは、当時お付き合いしていた彼女で今の妻が、ニューヨークで仕事が決まったから。僕の仕事はリモートワークでも問題ないだろうと判断して、サンフランシスコから転居しました。でも、結果的にはこの決断は自分のビジネスにもプラスでしたね。
というのも、サンフランシスコは良くも悪くもテクノロジーが大好きな人たちや、新しもの好きのアーリーアダプターが多すぎる。サンフランシスコで良い評価をもらっても、鵜呑みにはできないんです。その点、ニューヨークは一般の消費者に近い感覚の人が多いのでフラットに評価してもらえる印象があり、プロダクトを開発していくヒントになっています。
自分の内面を“ハック”できれば、人の可能性はもっと広がるはず
― 2022年6月にカジノ トランプ ゲームして現在3期目となりますが、アメリカでスタートアップ経営をしていくうえでは、苦労もあったのではないでしょうか。
たくさんありましたし、正直僕にとってはまだ分からないことだらけです。だから、自分の力だけでなんとかしようとする発想はやめました。アメリカのカルチャーや商習慣を理解している人に仲間になってもらい、力を貸してもらう。それぞれの得意分野を活かしてチームで戦うスタンスを大切にしています。
あとは、自分が何者で何をしたいのかを理解してもらうことにも苦労しましたね。日本でなら大学や研究室などのバックグラウンドを伝えればある程度理解してもらえましたが、カジノ トランプ ゲーム東大や松尾研の名前を出しても、相手は良く知らないから自分のことが思うように伝わらないんです。だからこそ、いろんな人・コミュニティと関係をつくり、自分の理解者を増やすうちに少しずつ動きやすくなってきた感覚はあります。
また、その過程でWeb3分野のカジノ トランプ ゲーム家として活躍する渡辺創太さんなど、世界を相手にする日本人カジノ トランプ ゲーム家に出会えたことも苦労を乗り越えるヒントになりました。彼らと間近に接して、心理的に遠い存在ではなくなっていたからこそ、現在まで挫けずにチャレンジを続けて来られた気がします。
― スタートアップのCEOとして湯川さんが大切にしていることを教えてください。
「迷ったときは、学びが多い方を選ぶ」です。振り返ってみると、昔から人と違う道を好んできたのも、先行事例が少ない道ほど経験することで得られる情報量が多いから選んでいたのかもしれません。だから、たとえ結果が振るわなかったとしても、そこで多くの学びを得たのなら、それは失敗ではないという感覚ですね。
― 『Lifestack』を通じて、どんな価値を世の中に届けたいですか。
僕が人間の中身に興味があるのは、人が自分の能力を最大限引き出せるようになったら、これまでなら諦めていたことも、諦めずに済むようになると思うから。それぞれの人生の可能性が今以上に広がり、自己実現できる人を増やしていきたいです。
そう考えるのは過去の経験も大きいですね。周りは優秀な人たちばかりという環境で学生時代を過ごしたのですが、負けないようにどれだけ努力しようにも1日は24時間しかないじゃないですか。だったら、この限られた時間をどれだけ効率良く使うかが勝負。能力をブーストさせるために自分自身を“ハック”したかったんです。『Lifestack』はそんな風に、自分のポテンシャルを最大限に活用したい人のための補助ツールになれたらと思っています。
― そうした事業活動の先に、湯川さん自身が目指しているのはどんな未来ですか。
全世界の人が活用するようなメジャーなプロダクトをつくり、サム・アルトマンやイーロン・マスクといったシリコンバレーのど真ん中にいる人とフラットに対話できるような立場になりたいです。そうなりたいのは、自分の行動力の源は「学ぶこと」だから。読書も好きですが、人の経験や考えを直接聞くことが一番好きなんです。だからこそ、世界でも最先端の知が集まっているカジノ トランプ ゲーム家たちに一目置かれるような実績を積むことが、今の目標です。
プロフィール/敬称略
※プロフィールは取材当時のものです
- 湯川直旺(ゆかわ・なお)
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東京大学工学部システム創成学科卒業。在学中は松尾研究室にて、深層学習モデルを用いて、脳波から単語を解読する卒業研究に従事。 2021年夏から渡米し、2022年6月にDeMind Inc. をサンフランシスコでカジノ トランプ ゲーム。ウェアラブルデバイスから取得された生体データを扱うプロダクトの開発に取り組んでいる