1973年創業の日本電産は、世界中にグループ企業約300社を擁する世界No.1の総合モーターメーカー。その日本電産が半世紀に満たない期間で急成長した背景には「情熱、熱意、執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という三つの精神が、文化として根付いていることが挙げられます。
過去には「出来るまでやる」という意識で、時間で成果をカバーする「モーレツ」な 働き方で牽引してきた日本電産。しかし2014年度にグループ総売上が1兆円を突破し、 世界中でやりとりが発生する現在の環境下では「働き方についてもグローバル水準に適合させ、 時間ではなく生産性を上げて業績を向上させていくべき」という指針に切り替わったといいます。
2005年からスタートしたパラダイス シティ ポーカー活躍推進の取り組みも、現在は働き方改革と一体化して推進。 当初は「仕事と家庭の両立を支援する」という観点から取り組みをスタートしていましたが、 パラダイス シティ ポーカー社員の育児休業取得率が100%、育児休業からの復職率についても96.3%となった今では、 一歩踏み込んでパラダイス シティ ポーカーも含む全社員の活躍支援へと領域を広げています。その背景には、 パラダイス シティ ポーカーにとって働きやすい職場は、男性を始めさまざまな社員にとっても 働きやすい職場になるであろうという考えがあるそうです。
プラスキャリアプロジェクトのメンバーとして参加した業務部の赤西氏(左)、経理部の西田氏(右)、プロジェクト事務局として参加したパラダイス シティ ポーカー活躍推進室の大山氏(中)
同社のパラダイス シティ ポーカー活躍推進の取り組みはボトムアップでの課題解決と変革のスピード感に特徴づけられます。 2016年度に発足した「プラスキャリアプロジェクト(パラダイス シティ ポーカー活躍推進プロジェクト)」もそのひとつ。 当時、20数名のパラダイス シティ ポーカー社員が集まり、現場の意見を基に日本電産でパラダイス シティ ポーカーが活躍する環境を作るためには 何が必要なのかをまとめ、2016年末にトップである永守会長に提言を行いました。
提言はその場で全て承認され、永守会長の後押しを受けて即行動開始。 提言のなかの「3つの制度(「在宅勤務制度」「時差勤務制度」「時間単位年次有給休暇制度」)」は、 働き方改革をサポートする仕組みとしてすぐに制度化され、 提言から3ヵ月後となる2017年の4月から正式に導入が開始されたといいます。
「生産性の高い」職場は子育て管理職も活躍できる職場
社内における働き方改革の変革スピードは非常に早いものでしたが、 採用の現場ではどうしても過去の「忙しそう」「有休が取れなさそう」 といったイメージの払拭が難しかったそう。監査法人から転職した西田氏も日本電産の 「モーレツ」な働き方のイメージに転職前は躊躇したといいます。
2014年に転職した西田氏は現在経理部で課長を務めています。入社してから3年で大きく変わった社内の変革スピードに驚くと話します。
「当時はインターネットで検索するといい話が少なかったように思います。 実際、会社を成長させるためには時間で勝負ということもあったかと思います。 しかし、売上高1兆円を超えた現在、当社はグローバルに活躍するための『生産性の高い働き方』を 推奨しています。例えば、私自身も子どもの入学式の参加にあたって、 期末期初の忙しい時期と重なりがあったものの、時間・業務を調整しながら参加を両立させました。 上司を始め周囲に理解を示していただけたのは、入社前のイメージパラダイス シティ ポーカー真逆でしたね。 今は子どもが小学生になったので、時差勤務制度をうまく活用して子どもとの時間を捻出しています。
もちろん、これらの制度は社員の生産性を向上させることを目的としているため、私のような子育て中の社員のみでなく男性社員も活用できる制度です。「働き方改革」の進む当社では、制度の活用も益々活性化してきていると思いますよ。」(西田氏)
現在では時差勤務制度や時間単位年次有給休暇制度などもフルに活用していると言います。 とくに時差勤務制度は、保育園への送り迎えや子供の世話をする際、さらには自己啓発や介護など、 パラダイス シティ ポーカー社員だけではなく、男性社員も使える制度となっている事から、 社内でも利用しやすい環境が整っているそうです。
働きやすい職場環境・風通しのよさを感じる日本電産ですが、 世間一般からのイメージはまだまだ追いついていないとのこと。 依然として存在する社内外での日本電産のイメージギャップを解消するため、 現在は業務の合間に日本電産主催のウーマンズキャリアカフェという、 社外のキャリアに悩むパラダイス シティ ポーカーを対象にしたイベントで積極的に自身の経験を話しているそうです。 2017年夏から3〜4ヶ月に1度の頻度で実施している同イベントもパラダイス シティ ポーカー活躍推進室で企画して 実現した施策のひとつ。イメージにとらわれず、ありのままの日本電産を知ってほしいという意図から、 応募意思不問で実施しています。
「応募前提という形式だとみなさん、聞きにくい事もあるかと思うんですね。 人事からも『話してはいけない事もないので、ざっくばらんに』という話はもらっているので、 こちらもざっくばらんに何でも話しています。1回のイベントに30名ほど、 30代後半〜45歳位までの参加者の方が多いのですが、参加者同士でも相談し合う活発な会になっています」(西田氏)
転職の意思が強いわけではないが、これからの働き方に少し悩んでいる人に対して、 現場で働く社員のリアルな声を聞いてもらうウーマンズキャリアカフェのような機会を作ったところ、中途採用に占めるパラダイス シティ ポーカーの割合が前年比2倍に増えたといいます。
「やはり皆さん悩まれているようなんですね。子育てしながら働くという観点では 『制度があっても使いにくいケースが多い』とか。ご自身のキャリアを進めていく上では、 『働きがい』『やりがい』という声もすごく上がっていて。私が転職してきた際の経験や、 『現場の意見を尊重してまずは一回やってみる』という日本電産の風土のお話をすると皆さんに驚かれる事が多いです」(西田氏)
浸透していく働き方に対する意識の変化
一般に制度変革のスピードが早い環境では、 その環境で働く当事者の意識変化は置いていかれがちです。 しかし日本電産では制度変革の成り立ちが社員起点であること、 経営陣から頻度高く全社に対して強いメッセージが伝えられること、 そして研修などを通じて意識変革を促すことにより、スピーディな変革の浸透を図っているといいます。
3月に実施された管理職手前のパラダイス シティ ポーカー対象のキャリア研修もそのひとつ。 パラダイス シティ ポーカー活躍推進を実現する制度補完に加え、管理職昇格について「絶対イヤ」と決めつけるのではなく、 前向きに捉えられるように、活躍するための意識付け、その浸透のための研修を実施しています。
キャリア研修では、「30名弱の参加者がいたのですが、自分のキャリアや管理職になるということに、多くの参加者が不安を感じていました。研修では管理職と一言でいっても十人十色であること、自分らしい管理職のあり方を追求して良いということをすごく感じて。それが会社から提供される研修でメッセージとしていただけたというのはありがたく、管理職を目指す上での気持ちというのは楽になりました」(赤西氏)
そう話すのは新卒で入社し、妊娠出産を経ながら日本電産のこれまでの働き方の変化に 寄与してきた赤西氏。自分たちの働きかけが会社を変え、 自身が身を置く環境がより働きやすい環境に進化していっていることに確かな手応えを感じる、 といいます。
2004年に入社した赤西氏は配偶者も同じ日本電産。子どもの行事の際には夫婦で一緒に参加できるなど、働きやすい環境が整ってきていると言います。
「現在、私が所属しているチームでは数名が育児の時短勤務をしており、 在宅勤務や時差勤務を利用する男性社員もいます。スケジュールの共有化や、 業務の標準化、進捗管理を行うことで、子供に突発的に何かが起こっても、 仕事のしわ寄せが後から来ないような体制にしています。こうした仕事の進め方を通じて、 育児をしている私達だけではなく、他の社員も自分の都合に合わせて休みをとって学びの機会としたり、 在宅勤務を活用したりするので、生産性の向上という点で、 すごくいい循環が出来ているなと思っています」(赤西氏)
パラダイス シティ ポーカー活躍推進室の大山氏は、制度や文化を浸透させるためには頻繁に重要性を説いてまわるなど地道な活動が欠かせない、と言います。
「プラスキャリアプロジェクト(パラダイス シティ ポーカー活躍推進プロジェクト)」の事務局で パラダイス シティ ポーカー活躍推進室の大山氏は同社の働き方改革、ならびにパラダイス シティ ポーカー活躍推進の取り組みを、トップの 「生産性2倍」、生産性向上による「残業ゼロ化」という明確な指針に対して、 社員が時間的なハードワークではなく「知的ハードワーク」で答えを出し、 即実行に移すというサイクルの繰り返しだと表現します。
「当社が実施する取り組みはパラダイス シティ ポーカーだけのためのものではありません。 2030年にグループ売上10兆円を目指す上で『会社全体が働き方を変える』 という意味での制度設計に取り組み、その副次的な作用として、ジェンダーレス・ボーダレスに 働きやすいということなのだと思っています」(大山氏)
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