ミドル・シニアの活性化を考える場合、その年代になってから何らかの施策を打っても遅いという問題に突き当たる。ポーカー の ルールときからキャリア意識を明確にもち、主体的に仕事に取り組んでもらう必要がある。ただ、言うは易く行うは難し。ある老舗メーカーの取り組みを紹介しよう。日本特殊陶業株式会社 戦略人事室長 平野なつき氏にお話を伺った。
全社員が自分らしいキャリアを歩みながら活躍し続ける
自動車用スパークプラグ世界最大手の日本特殊陶業では2018年9月より、全社員が自分らしいキャリアを歩みながら活躍し続けられる環境づくりを目指した3年限定のプロジェクトが進行中だ。名称をプラチナプロジェクトという。
同社の定年は60歳で、その後、65歳までの継続雇用が可能だ。その60歳から64歳の継続雇用社員をプラチナ世代と呼んでいる(当初は57歳から59歳も含んでいたが、定年前と後とでは処遇も意識も違うから分けるべきだという考えで、50代は除外した)。
2017年4月の時点で、総社員数6000名に対し、57歳から64歳の社員が約450名おり、10年後の2027年にはその数が1000名弱になると予測された。「この世代が活性化していなければ1000名分の労働力を失うことになるばかりか、下の世代の働く意欲にもマイナスの影響を与えてしまう。人事と経営の共通の危機感から生まれたプロジェクトです」と、同社戦略人事室長で、プロジェクトリーダーを務める平野なつき氏が話す。